選択理論・RTと仏教

 

釈迦の本来の仏教や、禅宗の考え方は、「仏の教えと、自分の力によって、あの世ではなく、自分が生きるこの世を極楽にしよう」という考え方であり、宗教というよりは、「個人の生き方の哲学」という色彩が強いものです。

 

そのような釈迦の言葉、禅の言葉に、

 

「己こそ己の寄る辺(自分こそ自分の主である)」

自分を拠り所として、他者に依存しないこと。すべての行動の結果は、自分自身が原因であり、決して他者に責任をなすりつけたり、責任転嫁しないようにする。

 

「随処に主となれば立処(りっしょ)皆真なり」

いつどこにあっても、いかなる場合でも、何ものにも束縛されず、主体性をもって真実の自己として行動し、力の限り生きていくならば、いつでも、どこでも、何ごとにおいても、真実を把握でき、いかなる外界の渦に巻き込まれたり、翻弄されるようなことは無い。

 

というものがあります。また、「現実とは、自分の心が反映されたものである」「人生は、自分の心一つで決まる」というような考え方があります。

 

これらの釈迦や禅宗の考え方は、選択理論・RTの「人生の幸せを増やし、不幸を減らす」「自分の行動は自分で選択し、自分の行動の責任は自分がとる」「自分と未来は変えられる」「行為と思考を変えることで、感情や生理反応は変えられる」という基本的な考え方と、根っこのところで共通するものだと思います。

 

このような意味では、選択理論・RTは、抽象的な釈迦や禅の思想を、私たちの身の丈のレベルで具体的に展開し、実生活に実践しやすい体系としてまとめた、「釈迦や禅の思想の21世紀バージョン」という捉え方もできるのではないかと思います。