QLOOKアクセス解析

7つのブロックで学ぶ選択理論

ここでは、個人が自分の生活で選択理論を使っていくに当たって、理解しやすいように、選択理論を、次の「7つの考え方のブロック」で、説明している。

 

第1のブロック:「5つの基本的欲求」という考え方

第2のブロック:「上質世界(願望の世界)」と「自分が知覚する現実世界

        (リアリティ)」という考え方

第3のブロック:「内的コントロール」(自分の内側からの動機付け:セルフ

         コントロール)という考え方

第4のブロック:「全行動」という考え方

第5のブロック:人の長期的な心理の問題の多くは「大切な人との不満足な人

        間関係」が原因であり、「外的コントロール」が人間関係を

        悪化させる

第6のブロック:外的コントロールをやめ、支援的にかかわることで、相手と

        の人間関係を改善できる

第7のブロック:内的コントロールによる「選択理論的な生き方」を取り入れ

        る

 

   

選択理論の内容は、コロンブスの卵のようなものであり、私たちが、あまり意識してはいないが、言われてみれば、だれでもが、なるほどと思うようなことばかりである。

 

以下では、一つ一つのブロックごとに、書かれていることをよく理解していくことが理解の近道であると思う。

 

 その際、「人は」と書かれていれば、「自分は」と置き換えて考え、「人間関係は」と書かれていれば、「自分と身近な人との関係は」と置き換えて考えれば、より具体的で、身近なものになり、わかりやすいだろう。

 

選択理論とは、これらの7つのブロックを組み合わせたところの、「人と仲良くしながら、自分の願望を実現していける方法」の体系といえよう。

 

ちなみに、私は、選択理論を、

 

・「脳の働きに基づく、人の行動のシステム」

・「個人の主体的な生き方の哲学」

・「人生の満足度を高める生き方の流儀」

・「他者の欲求充足を支援しつつ、自分の主体的で満足度の高い人生を実

 現できる生き方」

・コンピュータなら、新しい「生き方の基本ソフト」をインストールする

 ようなもの。

というように捉えている。

 

 

第1のブロック:「5つの基本的欲求」という考え方

・人はだれでも、5つの基本的欲求を持っており、人は自分の基本的欲求を満たすために、内側から動機づけられて行動する(人の行動は、体や心が求める欲求を充足するために引き起こされる)

 

・「5つの基本的欲求」とは、「生存の欲求」「愛・所属の欲求」「力の欲求」「自由の欲求」「楽しみの欲求」であり、それぞれの内容は、

 

ⅰ)生存の欲求:

食べる、水を飲む、寝る、排泄する、など、私たちが生存するために満たす必要の

ある欲求、

 

ⅱ)愛・所属の欲求:

相手を愛したい、相手から愛されたい、人から受け入れられたい、人を受け入れた

い、仲間でありたい、という欲求、

 

ⅲ)力の欲求:

勝ちたい、達成したい、認められたい、力を振いたい、相手をコントロールしたい、

など、自分の能力、自尊心、権力を求める欲求、

 

ⅳ)自由の欲求:

自由に自分が思うことをしたい、拘束から解放されたい、自分で選びたい、自由

に移動したい、という欲求、

 

ⅴ)楽しみの欲求:

学びたい、習い事をしたい、遊びたい、笑いたい、楽しみたいなど、喜びや興味

が湧くものを求める欲求、

 

というものである。

 

・人によって、それぞれの基本的欲求の強さには違いがある。

・これらの5つの基本的欲求がバランスよく満たせていれば、その人は幸せであると感じる。

・これらの欲求が、一つ以上満たせていなければ、その人は、幸せを感じられないか、不幸であると感じる。

 

以上が、「第1の考え方のブロック」である。

 

 

第2のブロック:「上質世界(願望の世界)」と「自分が知覚する現実世界(リアリティ)」という考え方

・基本的欲求は、具体的な「願望」の形で、各個人の頭の中の「理想のイメージアルバム(ひと、もの、価値観、信条)」に貼りついている(この理想のイメージアルバムを、「上質世界」という)

・上質世界は一人一人異なっている。また、人は、自分の上質世界を変化させていく。

・「人は基本的欲求を満たすために行動する」とは、「その瞬間において、なんらかの具体的願望を満たすために行動する」ということである。

 

・一方、現実世界(外の世界)の情報は、人の「感覚のフィルター(視覚、聴覚、嗅覚など五感)」と「知覚のフィルター(「知っている情報か、知らない情報かの選別」と、それに続く、「情報の価値判断」)」を通過して、その人の「現実世界」として知覚される。

・その人の「願望(上質世界)」と、その人が知覚した「現実世界」のギャップが、その人に、充たされていない願望を実現したいという欲求充足の動機づけを行い、それが行動を起こす原動力となる。

 

・人は、自分の願望が明確になると、それを実現したいという欲求が生まれる。私たちは、「自分の上質世界」にある、さまざまな願望の内容を具体的に明確に意識すること(見える化すること)により、それらの願望の実現に向けて、動機づけられ、より効果的な行動を選択していくことができる。

・私たちの願望は、それに少しでも近づけられる「行為」と「思考」を選択していくことで実現しやすくなる。

 

・他者とよりよい人間関係を築いていく上で、相手の上質世界に何があるかを具体的に知り、それを尊重したり、その実現を支援することが役に立つ。

 

以上が「第2の考え方のブロック」である。

第3のブロック:「内的コントロール」(自分の内側からの動機付け:セルフコントロール)という考え方

 

・人は、「外からの刺激(命令)」に反応して行動するのではない。外からの刺激を「情報」あるいは「現実世界」として知覚し、これと、「上質世界にある願望」とのギャップを埋めて欲求充足したいという内側からの動機付けによって行動する(自分の主体的な内的コントロールによって行動している)

 

・人は、一瞬一瞬の行動を選択しているのであり、行動は選択であるので、変えることができる。人は、常に、よりよく欲求充足できるような行動を選択することができる。

 

・私たちが自分でコントロールできるのは、自分の行動だけであり、人の行動をコントロールすることはできない(→人を変えることはできない。相手も、内側から動機づけられて行動している)

・自分の行動は自分が選択している。今の自分の状況も、自分が選択しているのであって、他人や社会、過去のせいではない。

 

・過去と環境は変えることができないが、「自分の現在」は自分が選択できるのであり、本人が過去のトラウマの犠牲になる選択をしない限り、過去のトラウマの犠牲になったままということはない。

 

・カチンとくる他人の言動に、気分を損ねたり、怒ったり、無視したりするのも、自分が選択しているのであって、相手の言動がそうさせているわけではない。

・いま、「落ち込みを選択している」「怒りを選択している」「憂うつを選択している」ような場合でも、別のよりよい行動を選択することができる。

 

・「不愉快なことが多いと感じている人、人生があまり愉快でない人」は、そうなる行動を選択してきている。「愉'決なことが多いと感じている人、人生が快適な人」は、そうなる行動を選択してきている。そのような行動の選択の積み重ねがその人の人生を作っている。

 

以上が、「第3の考え方のブロック」である。

第4のブロック:「全行動」という考え方

 

・人の行動は、「行為」「思考」「感情」「生理反応」という4つの要素からなり、これらの4つの要素は一体として関連して動く。その意味で、選択理論では、人の行動を、「全行動(total behavior)」と呼ぶ。4つの要素のそれぞれの意味については、次のとおりである。

 

ⅰ)行為(acting)とは、声を出す、料理する、話す、歩くなどを含め、体の一部または全体を動かすことである。

 

ⅱ)思考(thinking)とは、計画を練る、想像する、思い出す、判断する、ある見方をする、現実を○○のように知覚する、選択理論を取り入れる、自己評価する、などである。

 

ⅲ)感情(feeling)とは、気分がよい、気分が悪い、うれしい、悲しい、寂しい、腹立たしい、などの感情である。

 

ⅳ)生理反応(physiology)とは、体の反応、体調のことを指す。脈が速くなる、息切れがする、胸がドキドキする、汗が出る、赤面する、発熱するなどがある。

 

・行動によっては、行為、思考、感情、生理反応のうち、いずれかが他の要素に比べて目立ってあらわれる。

・私たちは、不満、不安、いやなきもち、いいきもち、満足、安心、喜怒哀楽などの自分の感情には敏感であり、このような感情は、警告灯のように、私たちの欲求充足の状況を知らせてくれる。

 

・全行動の4つの要素のうち、人が直接変えることができる(コントロールできる)のは「行為」と「思考」である。「感情」と「生理反応」については、これらを直接変える(コントロールする)ことはできないが、「行為」「思考」を変えることで、間接的に変えることができる。

 

・全行動を車で例えると、ハンドルで操作できる前輪にあたるのが「行為」「思考」であり、後輪にあたるのが「感情」「生理反応」である。人は、直接変えやすい前輪(行為、思考)を操作することで、直接操作しにくい後輪の「感情」「生理反応」コントロールすることができる。

 

以上が、「第4の考え方のブロック」である。

 

第5のブロック:人の長期的な心理の問題は、人間関係が原因であり、外的コントロールが人間関係を悪化させる

 

・私たちの人生が満足のいく幸せなものとなるかどうかということに、「身近で大切な人との人間関係の質」が大きな影響を与える。

 ・人が不幸なのは、現在満足できる人間関係を持てていないからである。人々の長期にわたる不幸や、心身的症状の背後には、多くの場合、「大切な人との不満足な人間関係(人間関係の欠如や断絶)」がある。

 

・「大切な人との人間関係」が、今よりよくなれば、欲求充足ができ、心身の問題が解決したり、軽減したりする。

・他人を自分の思いどおりに変えようとする行為が外的コントロールの行為であり、外的コントロールは、相手との人間関係を悪くする。満足できる人間関係がもてないのは、相手との間で、外的コントロールをしたり、されたりして、お互いに欲求を阻害しあっているからである。

 

・一般に、私たちが、誰かに対して、外的コントロールの行為をすると、相手は身構え、反発し、怒り、あるいは、逃げたり、距離を置いたりしようとする。そのような場合に、相手に言うことをきかせようとして、さらに外的コントロールの程度を強めると、相手の基本的欲求はますます阻害され、相手の反発や拒否が一層強くなり、相手との人間関係が悪化して、ついには関係を断絶するという事態にもなっていく。

 

・このように、「他人が自分に対して行なう外的コントロール」が私たちの欲求を阻害し、悩ませる。一方、「自分が相手に対して行なう外的コントロール」が相手の欲求を阻害し、悩ませる。

 

・世の中では、このような、「相手を外的コントロールする」「相手から外的コントロールされる」ということが当たり前のように行なわれており、多くの人が、相手から、外的コントロールを受けることで苦しんでいる。特に、自分が所有意識を持ちやすい相手(配偶者、子、部下、生徒)に対して外的コントロールを使い勝ちである。

 

・相手を外から変えようとしても、相手を直接変えることはできない。なぜなら、相手は、「内側から動機付けられて行動を選択する」からである。

・「相手を変えることはできない」にもかかわらず、多くの人が、相手を無理に変えようとして、「外的コントロール」を用いるが、相手が思うように変わってくれないことで、自分も苦しみ、相手を苦しませている。

 

以上が、「第5の考え方のブロック」である。

第6のブロック:外的コントロールをやめ、支援的にかかわることで、相手との人間関係を改善できる

・相手との関係を良くするには、自分が相手の欲求を満たす存在になればよい。つまり、自分が相手の上質世界に入ればよい。

・自分が相手の上質世界に入り、相手が内側から動機付けられるような「支援的なかかわり方」をしていけば、結果として相手が変わる可能性がある→「自分が変われば、相手も変わる」。

 

・一般に私たちが、相手との人間関係をよくするには、相手に対して、下記の「思いやりを示す7つの行為」に掲げている、「傾聴する」、「支援する」、「励ます」、「尊敬する」、「信頼する」、「相手を受容する」、「意見の違いについては常に交渉する(自分の意見を押し付けるのではなく)」という行為を行なえばよい。

 

・これらの行為は、相手の所属の欲求、力の欲求などの基本的欲求を満たす行為である。欲求が満たされた相手は、欲求を満たしてくれた人に対して友好的になり、親近感、信頼感を増し、二人の関係が改善していく可能性がある。

 

・一方、「外的コントロールの7つの致命的習慣」として掲げている、「批判する」、「責める」、「文句を言う」、「ガミガミ言う」、「脅す」、「罰を与える」、「(自分の思い通りにしようと)ほうびで釣る」という行為は、私たちが相手をコントロールしよう(思い通りに動かそう、相手を変えよう)として使いがちな外的コントロールの行為である。

 

・これらの7つの行為は、相手の所属の欲求や力の欲求などの基本的欲求を阻害する行為であり、相手との人間関係を遠ざける行為である。

 

思いやりを示す7つの行為

外的コントロールの7つの致命的習慣

・傾聴する

・支援する

・励ます

・尊敬する

・信頼する

・受容する

・意見の違いについては常に交渉する

・批判する

・相手のせいだと責める

・文句を言う

・ガミガミ言う

・脅す

・罰する

・自分の思い通りにしようとしてほうびで釣る

(出典:ウィリアム・グラッサー、カーリーン・グラッサー『結婚の謎』4779頁 アチーブメント出版2003

 

以上が、「第6の考え方のブロック」である。

 

第7のブロック:内的コントロールによる「選択理論的な生き方」を取り入れる

 

<選択理論を取り入れて、主体的で自分に責任を持つ生き方をする>

・人生の主人公は自分であって、自分がどう考え、どう行動するかは、自分が決めることである。

・「自分の行動は、自分で選択できるのであり、自分が選択しているのである。「現在の自分の状況」についての責任は、行動を選択してきた自分にある。「未来の自分」についても、これからの行動を選択できる自分にある。

 

・今の自分が不幸な責任は、自分にあるのであって、他人や環境、過去のせいではない。

・「現在の自分の状況は、他人や過去、環境の責任であり、自分に責任はない」となると、自分が行動をとる必要はないし、自分に状況を変える力もないと考え方をしてしまう。

 

<自分の内的コントロールにより、行動を選択していく>

・これまで、「自分が、何を、どうしたいのか」という「自分の願望(上質世界)」をはっきりとさせないままにし、そのために、欲求充足が十分できない生き方をしてきたことに気づき、これからは、考え方を切り替え、自分の「願望(上質世界)」の内容を明確にし、他人の欲求充足を邪魔することなく、自分の願望を実現できるよう、セルフコントロール(内的コントロール)によって、よりよい行動(行為、思考)を選択していく。

 

・自分のとっている行動を意識化(見える化)し、自分がとっている行動に気付き、より効果的な行動を選択していく意志を持つ。

・他人や社会、環境からの「外的コントロール」を脱し、自分の行動を主体的にコントロールする。

・感情と生理反応は、欲求が充足されているかどうかを教えてくれる警告灯である。

 

<自分が変えられるもの、コントロールできることに焦点をあわせる>

・相手から受け取るものは、すべて「情報」である。「情報」を自分が知覚し、その上で、自分が行動を選択している。また、自分が相手に与えられるものも、すべて情報である。

 

・これまで、「意識しないまま、人から外的コントロールを受けて、自分の欲求を阻害されてきたこと」に気づき、今後は、人から外的コントロールを受けても、それを単なる「情報」と受け止め、「人の欲求充足を阻害せずに、自分の欲求を満たす」ような方向での「行為」と「思考」を選択していく。

・「自分が変えられないものは、上手に受け入れていく」

 

<相手との良好な人間関係を築く>

・「相手は変えられない。変えられるのは自分だけである」

・これまで、無意識に「自分が正しくて、相手は間違っている」と考え、相手を変えようと外的コントロールを使ってきたこと、それによって、相手の欲求を阻害してきたこと、に気づき、これからは、相手の欲求充足と願望の実現を支援する行動を選択していくようにする。

 

・自分が充たされていない欲求を調べて、意識してそれを満たしていく。相手はどの欲求を満たせていないか、相手の欲求を満たす支援をする。

 

・「人間関係を悪化させる外的コントロールの行為(批判する、相手のせいだと責める、文句を言う、がみがみ言う、脅す、罰する、褒美で釣る)」をせず、代わりに、「相手との関係を近づける行為(傾聴する、支援する、励ます、尊敬する、信頼する、相手を受容する」をする。

 

・今しようとしている自分の行動が、「相手との関係を近づけるものか、遠ざけるものか」を、自分に問うてみる。そして、関係を近づけるものなら、行動に移し、遠ざけるものなら、行動しないようにする。

・自分が相手を大切に思っているということがわかる言葉かけを積極的に行っていく。

 

・「互いに批判しない」→「互いに認め合う」→「互いに、自信(力)と居場所(所属)を提供しあう」

・相手の主体性を認めたうえで、影響力は行使するが、意思決定は相手の選択に任せる。

 

 

<自分の欲求を充たし、相手の欲求を充たす>

・自分を肯定的にみるようにする。相手を肯定的にみるようにする。自分を否定しない。相手を否定しない。

・相手と考え方や意見をすり合わせ、違いについては交渉する。

 

 

<責任とは、他人の欲求充足を阻害せずに、自分の欲求を満たすことである>

・人は、それぞれ異なった上質世界を持っており、知覚している現実も異なっている。

・人の欲求を阻害せずに、自分の欲求を充たすことが、選択理論における責任である。

 

・自分の欲求を充たすために、人の欲求を阻害してはならない

・自分の欲求が阻害されるようないやなことは、人に対してもしない

 

<人には幸せになる義務がある>

・「欲求充足している人は、相手を傷つけない」

・「幸せな人は、他人の欲求充足を支援できる」

・「自分には、自分自身を幸せにする義務がある」

 

 

以上が、「第7の考え方のブロック」である。