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WDEPモデルとカウンセリングの創造性

  

ウォボルディングが提唱している、リアリティセラピーのWDEPモデルの、「W」「D」「E」「P」は、それぞれ「願望の明確化」「現在の行動の明確化」「自己評価」「プランの作成」という各プロセスの頭文字であるが、このWDEPモデルを型どおりに使うと、カウンセリングやセラピーが創造的ではないものになるのではないかという懸念があるようだ。

 

しかしながら、WDEPモデルは、選択理論やリアリティセラピーを学び始めた初心者が、「始める→なれる→使いこなす」過程では、使い勝手の良いモデルである。

 

それぞれのプロセスを実践する場合の、各プロセスの効果、モデル全体としての効果も理解しやすい。「守破離」という言葉があるが、「守」の段階にいる者にとっては、このモデルをまず習得し、使い慣れることが望ましいと考える。

 

「破」の段階にいる者にとっても、破るべき対象として、WDEPモデルを使いこなしていることが前提となる。

 

さらに、「離」のレベルにいる上級者にとっても、選択理論とリアリティセラピーは、「5つの基本的欲求」「上質世界」「全行動」「自己評価」「外的コントロール」「内的コントロール」などを重視するのであるから、「創造的」なセラピーであるといっても、これらの要素の組み合わせであることには違いないので、結局は、創造的なセラピーも、WDEPの範囲内のものであると考えられる。

 

WDEPは使い勝手のいいモデルであり、これをどう使うかは、使い手が選択すればよいのであって、必ず「W→D→E→P」という順序で行うべきである、などと硬直的に考えず、クライアントやケースに応じて、WDEPを基本に、自由な組み合わせを創造すればいいのであって、WDEPモデルを使うことが、必ずしもカウンセリングの創造性を失わせることにはならないと考える。

 

また、個人にとっては、リアリティセラピーは、人間関係も含めて、5つの欲求の充足や、願望の実現に関する限り、どのようなことにでも汎用的に使えるモデルであるが、日常的に自分のために使う場合は、いつも創造的である必要もなく、WDEPの順序で応用しても、十分な効果がある。

 

WDEPモデルは、カウンセラーにとって、自分の頭の中の整理ダンスと考えればよい。また、創造性を引き出すきっかけ考えればよい。

 

なにもないところから創造することは難しい。創造には、きっかけやヒントが必要である。

 

もちろん、WDEPというきっかけやヒントがなくても、創造的なカウンセリングができるというのであれば、それに越したことはないが、「WDEPモデルを使えば、型にはまったカウンセリングとなるので、創造的なカウンセリングができなくなる」と考えるとしたら、そこには論理の飛躍があるように思われる。

 

(参考)グラッサーの「新しい現実療法」について